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チャイコフスキーあれこれ

更新日:2012年05月11日

テレビのお守りにも飽きてしまい、とうとうCDプレーヤーを持ち込み、クラッシック音楽を聴いています。クラッシックファンというと、時々どなたのファンですかと聞かれることがありますが、チャイコフスキーと答えることにしています。個人的に興味のある彼の作品2つを取り上げてみました。

北海道の田舎の高校からいきなり東京の大学に入り、しかも塾の経験とかもありませんでしたので、他の人がどのくらいできるのかもわからず、自分の学力で、大学の勉強についていけるか不安だったのですが、入学してみると、それほど他の人と変わることもないし、むしろ数学等は私のほうが、できるかなという感じで、試験前になると一緒に勉強しようと声をかけてくれる同級生もいました。座席番号が隣のT君にも家に来ないかと誘われ、訪問してみると、たまたま彼のお父さんは当時T電気の工場長だったこともあり立派な電蓄が鎮座していました。ふとその横をみるとチャイコフスキーのピアノ協奏曲第一番のレコード、以前から聞いてみたいなと思っていましたので、彼は必死にノートに講義の要点のまとめみたいのを作っていましたが、私のほうはその横でボーと聴いていたのがこの作品との正式な最初の出会いでしょうか。

縁とは異なもので、家内が以前指導していただいていた茶道の先生の孫娘さんが、ロンドンを中心に活躍されていた(現在は川崎)世界的に有名なピアニスト小川典子さんで、彼女がもっとも得意としているのが、チャイコフスキーのピアノ協奏曲第一番です。帰国されるたびに彼女のコンサートには参加しておりますので、もう何回か直接演奏を聴いております。CDを含めればもう何回この曲を聴いたことでしょうか。聴くたびに心のふるさとにもどったような気がします。

チャイコフスキーのレパートリーは広く、有名なヴァイオリン協奏曲やバレエー音楽等、たくさんありますが、交響曲も良く知られており、とりわけ、4番、5番、6番が気に入っています。作品としては6番の“悲愴”が完成品でしょうが、気分がちょっと沈んでいるときは、5番のCDをかけることにしています。この曲自体金管楽器が鳴り響きもっともポピュラーな曲のひとつですが、第4楽章の最後で一度全休止があり、その後、堂々たる行進曲風の中、勝利感に満ちたコーダになだれ込みます。この部分を聴いていますと、つまらないことなんか気にせず、堂々と胸を張って歩いていったらいいのではないか、そんなふうに背中を押してくれるように感じ、思わず。ここの時点に来ると、プレーヤーの音量を上げます。“さあこれからコーダが始まるぞ、今日も音量を高くしてみようか”。