更新日:2025年10月31日

本展は「第3回 路地まちアートランブル2025」の一環として開催された、桐生大学短期大学部アート・デザイン学科2年生による活動報告展です。
足利の地域文化を主題に、学生たちは現地でのフィールドワークを重ねて作品を制作しました。自己の表現と向き合い、土地の記憶や風景を織り交ぜながら、その成果を展覧会として発表しました。
アート・デザイン学科では、行政や企業等と協力し、社会に貢献する活動そのものが学生の学びに還元される授業「フィールドワーク」を開講しています。
2025年度の足利市での活動として、市の関係人口を創出し地域活性化を促進するため、市街地を活用した芸術祭「路地まちアートランブル」に参加しました。
学生たちは春から足利市内でのフィールドワークを開始。各自のテーマを深めつつ学内外での夏期制作を経た後、10月末から11月初旬にかけて足利市にて展覧会を開催しました。
本展は、学生がデザインを手がけたパンフレットとともに、作品に影響を与えた場所や背景を紹介しながら、今と昔が交差する表現世界を提示しています。
期間中には、学生のドローイングを用いた色の楽しさを発見するワークショップや、公開講評会形式のアーティストトークを開催し、市民との積極的な交流を図りました。
学生たちはリサーチと制作の交差点を模索しながら、現場に赴き体験することの重要性を知りました。彼らが足利を見つめ語ることを通して、時を織る声が紡がれてゆきます。

会期:2025年10月28日(火)〜11月5日(水)
時間:10:00〜16:00
会場:足利商工会議所友愛会館 市民ギャラリー(栃木県足利市通3丁目2757)
主催:桐生大学短期大学部アート・デザイン学科
リーフレットデザイン:島田 美優 + 茂木 瑞紗
展示作品は、油彩、インスタレーション、彫刻、アニメーションなど多様な表現手法で構成されています。
学生たちは足利のまちを歩き見つけた風景や物語をもとに、独自の表現を追求しました。
伊藤 碧生『藤の花』:藤の花をモチーフにした抽象的な3DCGアニメーション
木村 友香『足利ナップタイム』:油彩とハニワの絶妙なニュアンス
服部 聖漣『重なる』:記憶の重なりを描いた油彩作品
久保田 歩夢『静寂と』:静けさの中にある気配を描いた絵画
海老原『想う』:足利尊氏の姿を通して歴史を描いた作品
浅川 心音『足利散策』:足利銘仙の絣模様と少女の内面を捉えた油彩
滝澤 美果『色と光の記憶』:光と色彩によるインスタレーション
鯉渕 瑚春『ぬくもりのつぼみ』:中橋の再生をテーマにした彫刻作品

大日向 基子『足利シュウマイ』:地域の食文化への敬意を込めたコスチューム
柳澤 顕『Veil (Meisen)』:足利銘仙をモチーフにしたステンレスの作品
柏木 優希『overlap #11』:木版画による緻密な重なりの表現
野村 亜希『宵藤銀河』:透明水彩による幻想的な風景画
丸山 萌夏『記録-足利-』:ミクストメディアによる抽象的絵画

フィールドワークによるリサーチ
各自の制作テーマ、展覧会タイトルの決定
展覧会ロゴマーク&リーフレット制作
学内での試作・制作
会場での設営・ライティング
11月2日(日)14:30〜15:00
ワークショップ「いろでつなぐ新しい発見の旅」
出品作家・滝澤美果によるドローイングを使ったコラージュ制作体験(定員10名)
11月2日(日)15:00〜16:00
アーティストトーク「時を織る声 ― 公開講評会 ―」
ゲスト:篠原 誠司(足利市立美術館 学芸員)
※参加無料・申込不要

「ストーリーテリング メモリーズ ― 時を織る街 ―」は、学生たちが足利という土地の記憶と向き合い、今この時代に生きる自分たちの視点で再解釈し、表現した記録です。
地域の文化と教育がクロスするこのプロジェクトを継続し、街と人、過去と未来をつなぐアートの可能性をこれからも探求していきます。